Kori's Works, どう?Do?, カオリスト

香階を知ってますか?

音階と言えば、誰でもイメージがわくと思います。
ドレミファソラシド。 小学生の音楽の時間で習い、誰でも知ってます。

 

音階は知ってるけど、香階って?

香階は、19世紀の調香師が考案したと伝えられています。
その頃の調香師達の仕事場ってどんなイメージでしょうか?
現在の調香は、実験室みたいな感じですが この写真は、アンティーク感漂う調香台です。
ちょっと見にくいかもしれませんが、中央には上皿天秤があります。

天秤を囲うようにずらりと香料のボトルが並んでいます。
この様子はパイプオルガンみたいにみえませんか。
ひとつひとつの香料は、まさにキーボードのひとつひとつの鍵なんです。

調香するということは、このひとつひとつの香料を
ひとつひとつの音を聞き分けるように理解し、組み合わせること。
オーデコロンや香水を作ることは、音でイメージを表現する作曲と似ています。
音も香りも目に見えないものなので、目に見えないものに共通するなにかが
あるんじゃないかと感じることもよくあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オルガンと呼ばれる調香台

そして、このアンティークな調香台は、オルガンと呼ばれているのです。
楽器のオルガンから名付けられています。
調香作業台に楽器の名前をつけるくらいですから、やはり 調香は、
音楽との関連性が強いのだと思います。
調香台は調香師の楽器ということなんでしょう。

香階というのは、19世紀の調香師ピエッスが考えだしたものです。
さまざまな香料の香りを嗅いでいると、明らかに重たく
音に例えれば低音だなと感じるものもあれば、きーんとした高音を思わせるものもあります。
それを低いものから、高いものへ並べたのが香階というものです。
以前、共著で「香りを楽しむ クレオパトラから現代アートまで」という本を
書かせていただきましたが、その時にも紹介しています。

 

7オクターブ48種類の香料が並んでいる香階

 

現在はあまり使わないものなども並んでいますが、 低音から高音まで、
ひとつひとつスメリングしていくと 本当に音程が変わっていくのと同じように
香りの表情が変わっていくのが 感じられます。
自分の感覚とは、ちょっと違うかな?と感じるのもまた楽しいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドの音には、ローズ。 オクターブ下のドにはゼラニウム。
香り成分が共通している部分も多い2つの香りが オクターブに設定されてるのは、納得です。
他にも、和音となる場所にある香料は相性がよさそうで 心地よい香りが想像できます。
不協和音の組み合わせもなんとなく想像できる。
心地よさだけじゃないけど、ちょっと気にかかるような感じ。
長調の和音は明るいけど、短調の和音には哀愁がある。

そんな感じも、香りの組み合わせから醸し出されます。
写真のアンティークな調香台では、個々のボトルのラベルを読むことはできませんが
香階に従って、低音に当てられている香料から 高音に当てられている香料が
左から右へ向かって並べられているような気がします。

数年前、大分香りの博物館.のオープニングのお手伝いをさせていただいたとき
展示されている、 調香台の香料ボトルを並べたのは私です。
やはり頭のどこかに香階のことがあったのかもしれません。
色でも、物でも、たくさんの種類を並べる時には、誰でも納得する 順番、並べ方がありますね。
香料の場合も納得の並び方があるとしたら この香階のように
低音から高音へとならべるのがひとつの方法かもしれません。

この香階を手元に置いて、オルガンという名前の調香台で調香していた時代に思いを馳せる…
なにか新しい香りを作ろうとしてる時、眺めるだけでもヒントになったりして。

 

あ、私はどうしてるのかって?

 

ほとんどの香料は業務用の冷蔵庫に保管しています。
調香に使う香料をその都度取り出して、作業が終われば保管庫に戻します。
調香する 分量が多いと工場みたいな感じになってしまいます。

一度に最も大量に香料を作ったのは、博覧会での演出用の香りを作った時で40kg。
サンプル的に少量を作る時には、ちょっとオルガンを気取って アンティークのライティングデスクを使ってます。
蓋を開けると中には、電子天秤がおさまっているのがちょっと面白いかも。

香階の写真、出典はこちら。
もう廃刊なのですが、中古は入手可能のようです。

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